柳澤秀吉准教授が日本機械学会設計工学・システム部門業績賞を授賞しました。

柳澤秀吉准教授が、日本機械学会第33回設計工学・システム部門講演会で執り行われた授賞式にて、設計工学・システム部門業績賞を受賞しました。 本賞は、当該分野で顕著な研究、または技術開発の業績をあげた個人または団体に贈られます。約20年にわたる感性設計学の一連の研究業績が高く評価されました。

授賞理由:
柳澤秀吉氏は、博士学位研究から東京大学着任後の現在に至るまで20年以上の間、一貫して感性設計学の体系化に向けた基盤的研究と、産学連携を通した実問題への応用研究の両方で顕著な成果をあげてきた。その先駆的な研究成果は、日本機械学会賞(論文、技術)、ASME CIE Best paper awardをはじめ各方面から賞を受けている。特に、候補者の感性設計に関する一連の研究にもとづいた、感性の数学的原理の究明とその設計応用研究の成果が革新的である。従来の感性工学では、評価や計測データから帰納的に感性をモデル化する方法が主であった。これに対して、候補者は、新規設計に必要な外挿およびモデル予測の説明可能性を問題にし、脳の働きの原理から演繹的に感性を定式化する新しい方法論を世界に先駆けて提案した。そして、知覚、感情、主体性といった様々な認知を力学的な数理により統一的に説明、予測する理論と計算モデルを開発した。基礎研究として神経科学分野に出版した論文が注目を集めるとともに、応用研究では設計工学分野および感性工学分野の国際会議でBest paper awardを複数受賞する成果を挙げている。一連の卓越した研究成果は、設計工学分野、さらにはヒトを扱う工学、科学分野の発展に広く寄与する基盤としての業績であるため、業績賞にふさわしい。